表検索開発の舞台裏

表検索開発の舞台裏

更新日: 2016年8月5日

表検索は、HTMLの <table> で書かれた表を、列ごとに検索絞り込みするシステムです。
じつは、これは依頼された作業がとても出来そうもなかったので、代案としてひねり出した苦肉の策なのです。
ここでは、表検索開発にまつわるエピソードを紹介します。

340編の論文CD

2015年春、知り合いの印刷屋さんから応援依頼のメールが来ました。大阪大学工学部の中田一博教授の退官記念誌を作るのだけれど、付録として論文を集録したCDを付けるので、CD制作を担当してほしいということでした。
それからCDに収める論文のリストが送られてきました。全部で340編。英語と日本語が入り混じり、掲載誌も雑多で、共同研究者もいつも違うメンバーでした。
それから論文がPDF形式で、五月雨のように送られてきました。

通常CDに論文を収めるときは、HTMLの目次ページを作り、そこに論文のタイトルリストを作り、各論文PDFとリンクさせるという方法をとります。
今回も、まずは先方の希望通り、紀要とその他掲載誌の2種類に分けて、論文リストを作り、受け取ったPDFとリンクさせてみました。しかしそれでも論文は100編を優に超え、読者は自分の読みたい論文を探すのがたいへんです。
どうしたものかと思い、まずは、先方の希望を聞いて解決策を練ろうと、印刷屋さんに頼み込んで、クライアントの中田教授と打ち合わせさせてもらうことにしました。

恐怖のカテゴリー分け

中田教授は非常に忙しい人で、捕まえるのがむずかしいと聞かされていました。ですから、1回の打ち合わせで、方向性をしっかり決める必要がありました。
印刷屋さんのクルマで教授の研究所へ向かう道がら、私はできるかぎり、今回の案件に関する情報を聞き出しました。
そしてわかったことは、教授は論文を何段階かカテゴリー分けをし、読者がカテゴリーを絞り込みながら、読みたい論文に行き着くという構想を持っているらしいということでした。

  1. カテゴリー分けしたページを作る。
  2. 各カテゴリーページ間を自在に動き回れるようにする。

ギョッとしました。
かなり作業量です。CDプレス作業を考えると、CDのコンテンツ制作にかけられる時間はわずかです。とても間に合いません。
必死で対案を考え、頭の中でプログラムを書き、実現性を模索しました。

中田教授には、持参したテストCDを操作してもらい、デザインと使い勝手を確認してもらいました。
作業の進捗状況を印象付ける狙いがありました。
教授は一応、了承してくれましたが、やはりカテゴリー分けが必要だと言いました。しかも露文が一つのカリゴリーは収まるとは限らず、かなりカテゴリーはかなり複雑で、教授自身もどうまとめるか考えあぐねているようでした。
ギョギョッとしました。
私は、カリゴリー分けで、論文が探しやすくなるとは限らないことを指摘し、カテゴリーページを作っている時間はあまりないことを説明しました。その上で、対案として、カテゴリーをキーワードにして、論文リストに加え、論文タイトルとキーワードなどから検索絞り込みできるシステムを提案しました。そして絞り込んだ表を手書きしながら、論文検索のイメージを伝えながら、自分でも、そのイメージを確立していきました。
そうやって、なんとか了解を取り付けました。

方向性が見えれば楽になる

苦肉の策で、提案した検索システムでしたが、それほど苦労せずに開発できたと思います。というか、苦労しても苦労したことを覚えていないのです。そういうのは「苦労」じゃないか。
いずれにしても、いったん方向性が決まれば、あとは実現させるだけです。
逆に、これでほんとうにいいのかと迷いが残っているとき、壁に当たると
- やっぱり、この方向じゃ、ダメなんじゃない -
と疑念がわき、進めなくなってしまうのです。

教訓

苦肉の策でも、策は策。いったん決めたら、迷わず進め。

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