地方自治体サイトからバナー広告が消えるとき

地方自治体サイトからバナー広告が消えるとき
都道府県から市町村まで全国の地方自治体がホームページを開設し、その多くが有料バナー広告を募集しています。かつては、バナー広告収入だけで500万円を超えた地方自治体もありましたが、ここにきて、バナー広告の単価の下落を理由に、募集自体を取りやめる市町村も出てきました。いったい何が起こっているのでしょうか?

広告効果が期待できないバナー広告

地方自治体のバナー広告は、自治体ごとにサイズや掲載場所が決められていますが、概ね、150px X 60px といった小さめのサイズで、企業名しか掲載できません。それでも月額掲載料は都道府県ならば数万円、市町村ならば数千円です。
定期的に新聞・雑誌等のメディアに広告を打っている著名な企業ならば、バナー広告に企業名を出すだけでもいいかもしれません。しかしそれだけの資力のない無名の企業はバナー広告をクリックしてもらい、自社サイトにリンクしてもらわなくては、いったい何をする企業なのかさえ伝わりません。

以前も書きましたが、バナー広告のクリック率は0.05%~0.1%、つまり同じバナー広告を1000回見て、1回クリックしてもらえるかどうかという話です。ですから、月間アクセス数が1000件に満たないページの場合は、バナー広告を出しても、1回もクリックされず、どういう企業か伝えられないまま終わることも大いにあり得ます。
地方自治体の場合、トップページやその他注目度の高いページでは、月間アクセス1万件を超えるようですが、そうしたページにバナー広告を出稿してもクリック数は10数件~数10件です。しかもそのクリックすべてが売上に結びつくわけではありません。売上に結び付いた分の総額が広告掲載料を上回ったとき、初めて、広告効果があったと言えるのです。
バナー広告において、地元企業を優先する自治体も多いのですが、地元の無名企業や客単価の小さい企業にとって、バナー広告の広告効果はあまり期待できなのです。

SEO効果を失うバナー広告

広告効果は期待できないものの、地方自治体へのバナー広告は、PageRank を押し上げ、SEOに有利だと考えられてきました。
PageRank とはそのホームページの価値を評価した数値で、検索エンジンが検索結果を表示するときに、表示順位を決定する要素の一つです。PageRank の評価基準は被リンク数とその質です。これは学術論文において、引用数でその論文の重要度を評価する手法と同じです。つまり多くの人からリンクされているホームページは評価が高いだろうという推測しているわけです。ただし、リンク元のページも評価が高くなければ、高い評価を得ていることにはなりません。
この点、地方自治体のホームページは元々 PageRank が高いので、地方自治体からのリンクなら、高く評価されるはずというのがセオリーでした。

しかし PageRank を上げたいがために、業者からリンクを買って、被リンク数を増やすという手法が横行しました。このため、Google はリンク元を査定するようになり、リンクファームのように意味のないリンク元からのリンクを不正とみなし、リンク先もリンク元も順位を落とすというきびしい対応をしました。
もちろん、地方自治体のバナー広告のリンクは不正とはみなされることはありませんが、リンク先の内容を評価したうえでのリンクではありませんので、PageRank に影響するはずはありません。

しかし多くの広告主は、アクセス数の多いホームページの方が評価が高いはずで、そこからのリンクはきっと PageRank にいい影響があるはずと思い込んでいるため、知名度の低い市町村より都道府県や政令指定都市にバナー広告を出そう、アクセス数の低いページより高いページにリンクを張ろう、としたがる傾向があります。
そのため、ふつうの市町村のバナー広告の単価が下がってしまうと考えられます。

バナー広告が消えるとき

バナー広告の最大の問題点は、バナーを見るユーザーにはほとんど何にも伝わらず、何の利益もないことです。
ユーザーにとって、バナー広告は意味がなく、ただ邪魔なだけです。だから、クリック数が0.05%~0.1%という悲惨な状態になってしまうのです。
ユーザーを蔑にしたバナー広告に未来があるのでしょうか?
今はまだ、「バナー広告で PageRank を上げられる」という幻想を抱いている企業側も冷静になったとき、自治体のホームページからバナー広告が消えるかもしれません。

スライド広告

デジタルエイドが開発したスライド広告は、事業者がメッセージを伝え、それによってユーザーも商品やサービスを利用することができる、広告本来の機能を復活させた仕組みです。
サイズは、スマホでも見やすい320px X 180px程度。ホームページ1ページにつき、1スペースだけ設定します。
広告1件につき、4枚の静止画像がスライドし、企業からのメッセージを言葉で伝えます。そのため、ユーザーはスライド広告を見るだけで、自分にとって利益があるかどうか判断できます。
1件の広告が終わると、次の企業の広告が始まります。つまり1つのスペースで、複数の広告をローテーションさせるのです。なので、1ページ1スペースでありながら、何本でも広告を掲載することができます。
もちろんユーザーは、途中でページを離脱することもできます。なので、どうしても先頭にくるスタート広告が有利になりますが、スライド広告ではこうした不公平をなくすため、見る人ごとにスタート広告が変更するランダムスタートを採用しています。

広告を出す人、広告を受け止める人双方がウィンウィンになれば、広告の場を提供する地方自治体も歳入を増やしていくことができます。
スライド広告のサンプルはこちら。

まとめ

地方自治体のバナー広告はサイズが小さく、企業名しか書けないため、有名企業以外には広告効果がありません。それでも地方自治体からのリンクは SEO に有利とされ、地方自治体のバナー広告は買われていました。しかし検索エンジンが、リンクがそのホームページの評価に直結したものか厳しく査定するようになったため、知名度の低い市町村のバナー広告は敬遠されるようになりました。


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